「成長ホルモンは深夜1時に出る」「睡眠は90分周期がベスト」――こうした話を聞いたことはありませんか?
実は、これらはあくまでも統計的な平均に基づいたもの。実際には 睡眠リズムやホルモン分泌には大きな個人差 があります。
睡眠中に分泌される主なホルモンとその役割
- 成長ホルモン
- 役割:筋肉や骨の修復、肌のターンオーバー、疲労回復。
- 分泌が十分なとき:翌朝に疲れが取れている、肌の調子が良い。
- 不足すると:疲労が抜けない、肌荒れ、体のだるさが残る。
- メラトニン
- 役割:睡眠のリズムを整える「体内時計ホルモン」。
- 分泌が十分なとき:自然に眠気が訪れ、深く眠れる。
- 不足すると:入眠しにくい、夜中に目が覚めやすい。
- コルチゾール
- 役割:朝の目覚めを促し、活動に必要なエネルギーを準備。
- 正常な分泌:朝にすっきり起きられる。
- 不足すると:起きてもだるい、1日のスタートが重い。
- レプチン・グレリン(食欲関連ホルモン)
- 睡眠不足のときに分泌バランスが崩れ、食欲が増す。
- 結果として、夜食や間食が増え、肥満や生活習慣病のリスクを高める。
「90分神話」は人によって違う
一般的に「90分周期でレム睡眠とノンレム睡眠が繰り返される」と言われますが、実際には 80分前後〜110分 と幅があります。つまり「自分はどれくらいで1サイクルなのか」を知ることが重要です。
自分に合った睡眠サイクルを見つける方法
- 起床時の気分を記録する
睡眠時間や就寝時間とあわせて、起きたときのスッキリ度をメモしましょう。数週間繰り返すことで、自分に合った睡眠時間のパターンが見えてきます。 - 短い昼寝でリズムを把握する
20分以内の仮眠でスッキリ起きられるか、逆にだるさが残るかを観察することで、自分の睡眠周期の長さを推測できます。 - 体調やホルモンとの関係を見る
睡眠不足は成長ホルモンやメラトニンの分泌を乱し、疲労回復や免疫力低下につながります。逆に、自分に合ったリズムで眠ると、肌の調子や体力、集中力の回復が実感しやすくなります。
このように、睡眠は「みんな同じ90分サイクル」「必ず1時に成長ホルモンが出る」といった単純なものではありません。自分だけの最適なリズムを見つけることが、健康やパフォーマンスを高める近道になります。
自分に合った睡眠サイクルを見つけるチェックリスト
- □ 起きたときにスッキリ感があるか
- □ 昼間に眠気が強く出ないか
- □ 就寝から目覚めるまでに中途覚醒が少ないか
- □ 仕事や勉強の集中力が持続しているか
- □ 肌や体調の変化を感じていないか
このチェックを毎朝記録してみると、どの時間に寝て、何時間眠るのが自分に合っているのかが少しずつ見えてきます。
まとめ
睡眠とホルモン分泌は「一律に決まっているもの」ではなく、人によって大きく違います。
「深夜1時説」や「90分説」を鵜呑みにするのではなく、自分に合ったリズムを探し、自分に最適な睡眠法を見つけることが、健康やパフォーマンスを高める一番の近道 です。